個人事業主の方にとって,春先にお馴染みのイベントといえば確定申告ではないでしょうか?
手続きの煩雑さを少しでも軽減するために,マイナンバーカードを用いた電子申告(e-Tax)は必須とも言えます。
本記事では,電子申告に用いるマイナンバーカード情報を読み取るために必要なICカードリーダを紹介します。
確定申告にマイナンバーカードがもたらすメリット
確定申告を行う際に,マイナンバーカードを取得しておくメリットは3点あります。
まず1点目は,自宅から24時間いつでも提出が可能な点です。
メンテナンス期間を除き,確定申告期間中は,自宅から24時間いつでもe-Taxでの提出が可能です。
ただし,メンテナンスやシステムダウンが発生する場合もあるため,期限ギリギリにならないよう余裕を持って手続きされることをおすすめします。
※本年度は,締め切り前日にe-Taxの接続障害が発生しました。
2点目は,第三者作成書類と呼ばれる書類のうちいくつかが提出不要になる点です。
e-Taxを利用して確定申告を行う場合,下記に挙げられるような書類については,その記載内容を入力して送信することにより,これらの書類の提出又は提示を省略することができます。
- 給与所得者の特定支出の控除の特例に係る支出の証明書
- 個人の外国税額控除に係る証明書
- 雑損控除の証明書
- 医療費の領収書
- 医療費に係る使用証明書等
- 社会保険料控除の証明書
- 小規模企業共済等掛金控除の証明書
- 生命保険料控除の証明書
- 地震保険料控除の証明書
- 寄附金控除の証明書
対象の書類の一覧は,e-Taxホームページのよくある質問を参照してください。
3点目は,還付がスピーディーに行われる点です。
マイナンバーカードを用いてe-Taxで提出された還付申告は,3週間程度で還付が処理されます。
マイナンバーカードの取得方法
マイナンバーカードの取得方法については,マイナンバーカード総合サイトを参考にしてください。
総務省のデータによると,マイナンバーカードの普及率は40%程度と半数を下回っています。今後,運転免許証の情報を一本化するなど,さまざまな手続きが便利になっていくことが予想されますので,まだお持ちでない方は,この機会に取得されることをおすすめします。
マイナンバーカードの読み取りに必要なICカードリーダ
マイナンバーを所持している方は,スマートフォンまたはパソコンで申請することができます。
このうちパソコンで申請する場合は,基本的に,マイナンバーカード情報を読み取るためのICカードリーダが必要になります。
ICカードリーダを選ぶポイント
まずは,国税庁が公表しているマイナンバーカードに対応したICカードリーダライタ一覧に記載されている公的個人認証サービスに対応したものを用意しましょう。
ICカードリーダの中には,公的個人認証サービスに対応していないものもあり,正常に動作しない恐れがあります。
以下では,こちらのカードリーダライタ一覧に掲載されているものの中から確定申告に使うICカードリーダを選ぶ際のポイントを紹介します。
手っ取り早くおすすめの製品が知りたい方は,飛ばしてください。
- 対応OS
- 読み取り方式
- パソコンへの接続方法
- 他の種類のカードへの対応
対応OS
ICカードリーダーが対応しているOSが,使用しているパソコンのOSに対応したものか確認しておきましょう。
Windowsの場合は,8・10には対応しているものが多いです。
Macの場合は,OSバージョンももちろんですが,Apple M1チップ搭載のMac版PCに非対応のものがありますので,該当する方は念の為メーカーに確認してから購入された方が良いと思います(上記の国税庁が公表しているマイナンバーカードに対応したICカードリーダライタ一覧にもM1チップ対応の有無が記載されていますので,そちらもご確認ください。)。
パソコンへの接続方法
使用しているパソコンの接続端子を確認しておきましょう。大体のパソコンにはUSB Type-Aが搭載されているため,あまり心配は要りませんが,例えばMacのパソコンのようにUSB Type-Cしか搭載されていないケースもあります。
読み取り方式
読み取り方式には,接触型と非接触型があります。一般的に接触型の方が通信が安定していますが,基本的に机の上で使うことを考慮すると,どちらでも良いでしょう。
他の種類のカードへの対応
マイナンバーカードだけでなく,他の種類のカードの読み取りに対応した製品もあります。確定申告をする上では副次的な機能ですが,確認だけはしておくと良いと思います。
おすすめのICカードリーダー(Mac M1対応)
ソニー NFC通信リーダー PaSoRi RC-S300
ソニーの非接触型カードリーダーです。
対応OSは,Windows:11,10,8.1,macOS:12,11,10.15とカバー率が非常に高く,Mac M1チップへも対応しています。
マイナンバーカード以外にも交通系ICカードの残高確認にも使用できます。
また,本体サイズもICカードより一回り大きい程度のサイズなので,机の上に置いても,引き出しに収納しても邪魔になりません。
NTT Communications ICカードリーダライタ ACR39-NTTCom
NTT Communicationsの接触型カードリーダーです。
対応OSは,Windows:10,8.1,8,7,Vista,macOS:10.12,X v10.11/v10.10と幅広く,こちらもMac M1チップ対応です。
こちらは接触型のため,しっかり差し込んで使いたい方にはおすすめです。
エレコム ICカードリーダー MR-ICD102BK
エレコムの接触型カードリーダーです。
対応OSは,Windows11,10,8.1,7,macOS:12.0,11.0,10.15と幅広く,こちらもMac M1チップ対応です。
接触型でかなりコンパクトなので,収納に困ることはないでしょう。
まとめ
本記事では,マイナンバーカードを用いた電子申告のメリットを説明し,マイナンバーカードの読み取りに必要なICカードリーダのうち,最近利用者が増えてきたMac M1チップ搭載のパソコンに対応した製品を紹介しました。最低限対応OSは忘れずに確認して購入するようにしてください。