司法修習生に対する給付金(修習給付金)が復活して数年が経過しました。
その結果,司法修習生や司法修習を終えた直後の新人弁護士の方などが,確定申告を行うことが必要になっています。
本記事では,このような司法修習生の確定申告に関する情報を,Q&Aの形でご紹介したいと思います。
確定申告の必要性等
修習給付金に関する確定申告は必要ですか?
基本給付金及び住居給付金は,所得税法上の「雑所得」に該当するため,確定申告の対象となります。この点は,司法研修所が公開している「修習給付金案内(第75期)」に記載があります。
移転給付金に関する確定申告は必要ですか?
移転給付金は,確定申告の対象外となります。この点についても,上記の「修習給付金案内(第75期)」に記載があります。
修習給付金と必要経費
修習給付金に関して必要経費とすることができるものはありますか?
修習給付金に関しては,必要経費とすることができるものはないと考えられています。この点については異論を唱える余地もあるかもしれませんが,司法研修所の公式見解では,次のようにされています。
必要経費として控除することができる経費はありません。
確定申告の方法
修習給付金に関する確定申告は,どのようにすれば良いですか?
修習給付金に関する確定申告の方法としては,大きく分けて次の2つが考えられます。
- 国税庁の「国税庁 確定申告書等作成コーナー」を利用する。
- 会計ソフトを利用する。
会計ソフトとしては,たとえば次のものが挙げられます。
すべて無料で試用できるので,自分の好みのものを探してみるのが良いと思います。
会計事務を可能な限り自動化したい方はfreeeを,簿記等の知識がある方はマネーフォワードを使用するのが良いかもしれません。
また,弥生会計は,白色申告であればずっと無料で使用でき,青色申告についても,現在はキャンペーン中であり,1年目は無料で使用できます。
具体的な所得税の金額は?
具体的な所得税の金額については,復興特別所得税を含めて考える必要があります。
基本給付金と住居給付金の額の合計から,基礎控除等の金額を控除し,税率(=5%)を乗じた金額に,1.021を乗じることで,具体的な所得税の金額を算出できると思います。
たとえば,75期の司法修習生の方ですと,7万円程度になると考えられます。こちらについては「【75期】司法修習生の確定申告について」もご参照ください。
まとめ
本記事では,司法修習生の確定申告に関する情報をQ&A方式で整理しました。
75期の司法修習生の方に関しましては「【75期】司法修習生の確定申告について」もご参照いただければ幸いです。