弁護士は電話代行サービスを利用して良いか?

弁護士の独立

弁護士の方が独立した直後は,なかなか事務員を新規で採用することが難しいことも少なくはありません。他方で,独立後の弁護士の方が事務所を運営していく上で,問い合わせの電話に出ることができないということは,致命的です。

新件の獲得機会を喪失してしまうことにもなりかねませんし,既存の依頼者からの信用を失ってしまうことにもなりかねません。

この問題を解消する方法としては,どのような手段が考えられるでしょうか。

電話代行サービスという選択肢

本記事の執筆者が,独立直後の弁護士の先生に対し,この問題の解消方法を尋ねたところ,少なくない弁護士の先生が電話代行サービスを利用しているとの回答を受けました。

電話代行サービスとは,事務所宛にかかってきた電話への対応を代行してもらえるサービスです。

弁護士の方が電話代行サービスを利用するメリットは,次の点にあると思います。

  • 営業電話への対応で業務が中断されるのを防ぐことができる。
  • (特に独立直後の事務所において)電話に出られない事態を防ぐことができる。

弁護士に対する営業電話は少なくありません。広告関連企業や営業支援企業から,多くの電話がかかってくることになります。

このような営業電話に逐一対応していると,なかなか起案などの重要な業務に集中して取り組むことが難しくなってきてしまいます。

また,特に独立直後の弁護士の先生は,フルタイム勤務の事務員を新規で採用することが難しく,自身が裁判所に赴いているタイミングなどで電話がかかってきてしまうと,電話対応できないという事態に陥ってしまいかねません。

このことは,新規受注の機会にも繋がりますし,既存の依頼者(クライアント)からの信頼を害することにも繋がりかねません。

弁護士業務の特殊性と電話代行サービス

上記のようなメリットのある電話代行サービスですが,弁護士業という業務の特殊性から,利用を躊躇する先生も少なくないようです。

弁護士業は,弁護士法第23条に定める守秘義務を負っているように,依頼者の個人情報や秘密情報を日常的に扱う業種になります。

そのため,電話代行サービスを利用することで,個人情報や秘密情報が漏洩してしまうリスクを懸念する弁護士の先生も少なくありません。

独立開業マニュアル東弁版の記載

しかし,弁護士の方が電話代行サービスを利用することは禁止されておらず,東京弁護士会が公表している「独立開業マニュアル東弁版」においても,次のような記載があります。

現在では,低価格での電話代行等のサービスも充実していることから,事務職員を採用しなくても,このようなサービスを利用することにより人件費を削減することも可能である。

独立開業マニュアル東弁版

したがって,個人情報や秘密情報が漏洩するリスクを過度に恐れて電話代行サービスを一切利用しないというのは不合理な選択であるように思われます。

ISMS適合性認証制度など

とはいえ,個人情報や秘密情報の管理に関して信用できる業者が運営する電話代行サービスを利用する方が望ましいことは明かです。

それでは,何を確認すれば「個人情報や秘密情報の管理に関して信用できる業者」か否かを判断することができるでしょうか。

こちらの判断に際して1つの参考となるのがISMS適合性評価制度になります。

ISMS適合性評価制度については次の説明が参考になります。

情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)適合性評価制度は,国際的に整合性のとれた情報セキュリティマネジメントシステムに対する第三者適合性評価制度である。本制度は,わが国の情報セキュリティ全体の向上に貢献するとともに,諸外国からも信頼を得られる情報セキュリティレベルを達成することを目的とする。

情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)適合性評価制度の概要

この制度における認証基準JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013)をクリアしている事業者が運営している電話代行サービスであれば,信頼性が高いと評価して良いと考えられます。

電話代行サービスを選ぶ際のポイント

では,電話代行サービスを利用するとして,具体的に利用する電話代行サービスを,どのような観点から選ぶのが良いのでしょうか。

弁護士の先生へのインタビューの結果も踏まえると,次のようなポイントを確認するのが良さそうです。

  • その電話代行サービスを実際に利用している法律事務所が既に存在するか。
  • チャットツールやメールと連携しているか。
  • 電話代行サービスの対応時間

具体的な電話代行サービス(おすすめ)

最後に,電話代行業者の利用を考えた弁護士の先生にオススメの電話代行サービスを記載したいと思います。

株式会社うるるのfondesk

fondeskランディングページ
fondesk

一つ目は,株式会社うるるが運営する「fondesk」です。

株式会社うるるは,上記のISMS適合性評価制度との関係で,認証基準JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013)をクリアしていることが認められています。

そのため,情報の取り扱いに関して信用できる電話代行サービスであると評価できそうです。

fondeskを利用している弁護士法人のインタビューも掲載されており,実際に弁護士業務に関しても利用されていることが伺えます(導入事例|弁護士法人コスモポリタン法律事務所)。

料金体系としては,月額10,000円の基本料金に従量課金が上乗せされる形のようですが,特に独立したばかりの弁護士の方にとっても,比較的導入しやすい料金体系になっているのではないでしょうか。

こちらの「fondesk」は,現在,14日間無料でサービスを利用できる「無料トライアルキャンペーン」を行っているようですので,将来的に電話代行サービスを利用する可能性のある方は,一度無料トライアルを実施してみてはいかがでしょうか。

弁護士ドットコムの電話代行サービス

弁護士ドットコム

二つ目は,弁護士ドットコム様による電話代行サービスです。個人情報保護を徹底しており,Pマークも取得済みのようです。

弁護士業界に特化した電話代行サービスであることから,安心して利用できるのではないでしょうか。

金額については資料請求をすることで開示を受けられる形になっています。

最後に

本記事では,弁護士業務の生産性を上げるための一つのツールである電話代行サービスについて検討しました。

新件の獲得機会を喪失してしまうリスクや,既存の依頼者からの信用を喪失してしまうリスクを避ける観点から,電話代行サービスの導入を一度検討してみるのはいかがでしょうか。

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