日々弁護士として働く中で,仕事のやりがいは感じつつも,
- このままずっとこの仕事を続けていくのだろうか
- 少し環境を変えてみた方が良いのではないか
とモヤモヤとした気持ちを抱えている先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では,「弁護士が転職を考える理由やきっかけ」の典型例をご紹介します。
また,転職を考えるに至った理由ごとに,悩みを解決するポイントやおすすめの転職方法についても解説していきます。
- 年収を上げたい
- ワークライフバランスを整えたい
- 今の事務所が合わない
- 職場の人間関係がよくない
- インハウス(企業内弁護士)に興味がある
- 独立も考えたい
といった気持ちがある先生方は,ぜひこの記事を参考にしてください。
【転職理由1】年収を上げたいから
まずは,「年収を上げたい」という理由です。理由としてはとてもシンプルですよね。
例えば,「アソシエイトとして数年間勤務したものの,これ以上の年収アップが見込めない」という方が,年収を上げたいために転職を検討するパターンです。
多くの方は,今よりも高年収が期待できる事務所に絞って転職先を探すことになるでしょう。法律事務所の中でも,高年収が期待できるのは次のような事務所です。
ただし,五大法律事務所は給与水準が高い代わりに,転職により入所するハードルも高い傾向があります。
具体的には,学歴,弁護士になった後に磨いたスキルや専門性,人柄や人脈などの様々な要素が求められると考えて良いでしょう。
また,外資系の事務所は,ビジネスレベルの外国語のスキルが求められるでしょう。
インハウスローヤー(企業内弁護士)であっても,
- 上場企業
- 外資系の企業
などは,給与水準が高い傾向があります。
例えば,年収1000万円〜1200万円程のポストで求人を出している企業も少なくありません。
現在の年収がそれよりも低い方は,インハウスローヤー(企業内弁護士)への転職を検討してみても良いでしょう。
【転職理由2】ワークライフバランスを整えたいから
「今の事務所が多忙すぎる。この調子で何年も働いていたら体調を崩してしまいそう。」という方が転職を検討し始めるパターンです。
皆様ご存知のとおり,弁護士業界ではこのような声を聞くことも少なくありませんよね。
また,体調面では問題がないとしても,子供が産まれたタイミングや,親の介護が必要となったタイミングなどで,ワークライフバランスを見直したいと考える方もいらっしゃるでしょう。
そのような方は,次のような転職先を検討してみると良いでしょう。
- リモートワークを許容している法律事務所
- 時短勤務を取り入れている法律事務所
- 扱う事件の希望に融通が利く(刑事事件は扱いたくないなど)法律事務所
- 民間企業や公務員
【転職理由3】事務所のシステムや業務フローが合わないから・キャリアアップしにくいから
「事務所のやり方が自身のポリシーに反している」「取り扱う分野が固定されており,仕事の幅が広がらない」など,今の事務所と”合わない”と感じ始め,転職を検討するパターンです。
事務所によってシステムや業務フローは様々ですから,そのようなミスマッチが生じることも少なくありません。事務所による違いには,例えば次のようなものがあります。
- ・受任から解決まで全て自分で処理できるor受任と事件処理とで役割分担をしている
- ・広告ルートでの集客がメインor紹介案件がメイン
- ・低価格の案件を大量に処理するor比較的規模の大きい案件をじっくりと処理する
- ・債務整理に特化しているor分野問わず幅広い案件を受任する
- ・個人事件はほとんどできないor個人事件を自由にできる
今の事務所と”合わない”と感じ始めている方は,まず,自分がどのような点に不満を抱いているのか整理してみましょう。
その上で,転職せずともその不満を解消する方法がないか検討してみます。
例えば,所属している事務所の代表に直談判することで,意外にも仕事の仕方を変えることができるケースもあるからです。
それでも所属している事務所にいる限り不満を解消することができないようであれば,転職を検討した方が良いでしょう。
【転職理由4】職場の人間関係がよくない
次のような人的な理由で気持ちよく仕事ができないのであれば,転職を視野に入れた方が良いでしょう。
- ・事務所内でパワハラ,セクハラに近い言動がある
- ・事務局と弁護士のパワーバランスが明らかに偏っている
- ・事務所の所属人数が少なく,気の合わない同僚と毎日顔を合わせなければならない
特に,パワハラやセクハラなどで自分の心身の状態が悪化しているのであれば,速やかに転職すべきです。
自身の能力やペースに合わせて仕事ができる事務所や企業はいくらでもありますので,現在の職場に固執する必要はありません。
【転職理由5】インハウスに転職したいから
近年増加傾向にある企業内弁護士(インハウスローヤー)になりたいという理由で転職活動を始める方もいます。
現在は,「IT業界」「エンタメ業界」「総合商社」など,様々な業界で弁護士が必要とされています。
民間企業に転職すれば,雇用契約により安定的に働けるほか,一般的な法律事務所に所属していては経験できないことを経験できるなど,インハウスローヤーだからこそ体感できる魅力があります。
企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職も視野に入れている場合は,企業内弁護士への転職に強い転職エージェントに登録して,無駄のない転職活動をした方が良いでしょう。
【転職理由6】独立したいから
一般的な「転職」とは少し違うかもしれませんが,独立も一つの理由となるでしょう。独立をすることで次のようなメリットを得ることができます。
その反面,次のようなデメリットがある点も理解しておく必要があります。
転職を検討し始めたらまず何をする?
転職を検討し始めた先生方は,まずは転職エージェントに登録して,どのような求人があるのか見てみることか初めてみましょう。
転職エージェントに登録することで,例えば以下のようなメリットを無料で享受できます。
- ・あなたがこれまで築いてきたキャリアを活かした転職先はどこか相談に乗ってもらえる
- ・これから目指していきたいキャリアを手に入れるには,何が必要で何が不要なのか一緒に考えてくれる
- ・ネット上には公開されていない非公開の転職先候補(一般企業を含む)を紹介してもらえる
- ・気になる転職先の組織や所属弁護士の雰囲気や,具体的な報酬・給与体系を含めた契約内容を教えてもらえる
- ・エージェントが間に入り,転職先の法律事務所や企業と交渉してくれることで,年収がアップする
もちろん,登録したからといってすぐに転職しなければならないわけではありません。
転職エージェントによっては,なんとなく転職を検討し始めた段階から登録して情報収集することをむしろ推奨していることもあります。
今の仕事をこなしながら自力で情報収集や応募を進めていくよりも,プロに頼りながら進めた方が効率良く転職できることは明らかです。
「どの転職エージェントに登録すれば良いかわからない」という方は,下記の記事をご覧ください。各転職エージェントの特徴などをまとめています。