司法修習生になった方の多くは,二回試験の対策を進めつつ,就活もしていかなければなりません。
そうはいっても,弁護士として働くために,どのような方法で自分に合った企業や事務所を探せばよいのかが分からない人も多いのではないでしょうか。
本記事では,司法修習生(新人弁護士)の就職活動におすすめの求人サイトをご紹介するとともに,それぞれにどのような利点や魅力があるのかを具体的に解説します。
1. 司法修習生におすすめの求人サイト
弁護士の就職を専門とした求人サイトは数多く存在し,どれを選べばよいのか分からない人も多いでしょう。
ここでは,司法修習生におすすめの求人サイトをご紹介するとともに,各サイトのポイントを詳しくまとめました。
司法修習生以外にも,弁護士未経験者や転職希望者に有効な求人サイトも多くあるため,就職活動の参考にしましょう。
(1)LEGAL JOB BOARD
LEGAL JOB BOARDは,司法書士や弁護士などの士業を専門とした求人サイトです。
求職者と採用担当者が直接やり取りできる「ダイレクトリクルーティング」と,業界に特化したエージェントに担当してもらえる「士業専門エージェント」を融合したサービスが特徴です。
LEGAL JOB BOARDのおすすめポイント
- 業界最大級の求人数を誇り,実績も豊富
- 志望動機に関するアドバイスや面接のコツなど内定率向上のためのサポートが手厚い
- 口コミや社内の雰囲気,給与や内情など,求人情報に掲載していない情報を提供してもらえる
- 大手企業の求人も多くメールやLINEで即日紹介してもらえるため,スピード感のあるサービスを受けられる
(2)NO-LIMIT
NO-LIMITは,弁護士の転職を専門とした,業界特化型の求人サイトです。
弁護士業界に精通したアドバイザーが運営しており,独自のネットワークから得た情報を豊富に提供してもらえるため,希望とマッチしやすいという点が特徴です。
NO-LIMITのおすすめポイント
- 条件のよい求人が豊富にあるためキャリアアップや年収の向上が期待できる
- 企業法務未経験の場合でも積極採用する事務所を取り揃えているため,司法修習生のニーズに沿った求人を紹介してもらえる
- 自己分析や書類添削など徹底的なサポートが受けられ,書類選考通過率への劇的な改善が見込める
(3)弁護士転職.jp
弁護士転職.jpは,弁護士の働き方やライフスタイルに焦点を当てたドキュメント誌「Attorney’s MAGAZINE」の編集,発行も手掛ける求人サイトです。
弁護士のプラン設計や待遇面への交渉など,幅広い対応が好評です。
専任エージェントが就職後もサポートをするため,キャリアアップ時にも頼れる点が最大の特徴といえます。
弁護士転職.jpのおすすめポイント
- 法律業界に精通しており,最新の情報を提供してもらえる
- 特定法律分野での専門性を高めたい人や,取り扱い分野の拡大を図りたい人に最適
- 説明会情報やインターン情報を豊富に掲載している
(4)MS Agent
MS Agentは,弁護士や会計士などの士業に加え,管理部門系の職種に特化した転職求人サイトです。
設立から30年以上の歴史を誇り,これまでの転職ノウハウを生かしたサービスが好評です。
またMS Agentでは,情報サイト「LEGAL NET」の運営もしており,法科大学院修了生へ向けたコンテンツも豊富に取り揃えています。
MS Agentのおすすめポイント
- 管理部門における転職支援サービスでは,国内トップシェアの実績を誇る
- 法律事務所よりも企業寄りの求人情報を多く掲載
- 業界を知り尽くした担当者から,各選考段階に応じた手厚いサポートを受けられる
- 年収交渉や労働条件の相談など,難しい交渉にも対応してもらえる
(5)弁護士ドットコムキャリア
弁護士ドットコムキャリアは,弁護士相談検索・法律相談サイト「弁護士ドットコム」の運営で築いたネットワークを最大限活かしたサービスが特徴です。
弁護士業界に精通した優秀なアドバイザーから,キャリアプランや面接対策などの転職支援が受けられます。
弁護士ドットコムキャリアのおすすめポイント
- 取り扱い求人は,関東圏や大都市が中心である一方,地方転職転職希望者には電話やオンラインでの対応が可能
- 丁寧なヒアリングで求職者の希望を聞いてもらえるため,ミスマッチ回避が期待できる
- 情報収集に集中したい人やキャリアの方向性に迷っている場合にも最適
(6)リーガルブライト
リーガルブライトは,新興や中小の法律事務所など,一般的な求人サイトでは取り扱っていない求人情報を多く掲載しています。
個々の希望や意向にマッチした求人を紹介してもらえるため「これだけは譲れない」という条件がある人にも適しているでしょう。
リーガルブライトのおすすめポイント
- 年収を向上したい,残業を避けたいなど具体的な希望に合った求人を紹介してもらえる
- 遠方の人や面談を受けられない人はメールやZoomなどで相談が可能
- 法律事務員の転職サポートも実施している
- 経験豊富なエージェントから履歴書の添削や面接対策などを無料で提供してもらえる
(7)アガルートキャリア
アガルートキャリアは,オンライン予備校で知名度の高い「アガルートアカデミー」が運営する,転職エージェントサービスです。
これまでに培ったネットワークや専門性を駆使し,業界の最新情報や動向を盛り込んだ質の高いサポートを提供してもらえます。
アガルートキャリアのおすすめポイント
- 弁護士専門のアドバイザーからレジュメ作成支援や面接対策などのサポートがあるため,選考通過率の向上が期待できる
- 大手事務所や大企業ポジションを目指す人にマッチする可能性が高い
- 大手法律事務所や企業内弁護士のほか,ベンチャーキャピタルやPEファンドなどの非公開求人を多数保有
(8)企業法務革新基盤
企業法務革新基盤は,主にインハウスローヤーや,企業法務系法律事務所の弁護士および人材の紹介に特化した,転職エージェントです。
伊藤忠商事や株式会社みずほフィナンシャルグループなど,大企業向けの法務部新卒代行も提供しています。
企業法務革新基盤のおすすめポイント
- 代表の野村慧氏は株式会社ジュリスティックスの出身で知名度が高く,過去に弁護士や司法修習生へのキャリア構築,ノウハウなどに関する著書を出版(※)
- 無料で活用できるエージェントサービスと,有料のキャリアデザインサービスを提供している
- 企業法務系の法律事務所や企業法務部とのつながりが豊富にある
※ 第一法規株式会社「新版 弁護士・法務人材 就職・転職のすべて」
(9)BEET-AGENT
BEET-AGENTは,弁護士からインハウスローヤーへ転職したい人におすすめです。
法務部リーダーや法務部長,CLO候補などの求人を多数掲載するため,企業法務キャリアへ進みたい弁護士にメリットのある求人サイトといえるでしょう。
BEET-AGENTのおすすめポイント
- 他の求人サイトに比べ,法務求人数を豊富に取り扱っている
- 上場企業のみならず,管理部門が高評価な企業を多く掲載
- 登録でスカウトを受け取れるほか,専任アドバイザーと二人三脚で実施する転職エージェントスタイルも可能
2. 求人サイトの選び方
弁護士に特化した求人サイトは数多くある一方,そのすべてを利用すると多大な時間と労力がかかります。
そのため,自分に合ったサイトを厳選した利用が大切です。
ここからは,求人サイトを選ぶ際に重要視したいポイントを解説します。
(1)弁護士に特化しているか
弁護士に特化した求人サイトであれば,ネットワークを活かしてしっかりと取材し,信憑性の高い求人情報を掲載していることが期待できます。
また,エージェント型の場合は,業界に精通したアドバイザーからサポートを受けられるため,成功率の向上が期待できます。
なお,自身に最適な求人サイトは,企業内弁護士か法律事務所かなど,どのようなキャリアを目指すのかに応じて変わります。自身がどのポジションを目指すのかを明確に定め,弁護士に精通した求人サイトを選びましょう。
(2)求人の質と件数
求人サイトを選ぶ際は,求人の質が高いかを重視するとよいでしょう。質の高い求人とは,給与面や待遇面が優れているだけではなく,自分の意向や希望に合っていることも意味します。
例えば,高年収の転職を希望する場合には,ハイクラス求人を利用する手法で選ぶとよいでしょう。
求人件数が少なければ,その分選択肢も減ってしまいます。
取り扱い求人数にも注目し,多種多様な企業や事務所を豊富に紹介する求人サイトを選ぶことで,自分にマッチするものを見つけましょう。
(3)エージェント型はアドバイザーの質と相性
エージェント型の場合,アドバイザーとの相性も大切です。
自分の要望に合わない求人ばかりを紹介してきたり,業界に精通していると感じられなかったりする場合は,アドバイザーやサイト自体の変更を検討しましょう。
いくつかのエージェントに登録し何人かと会って話を聞く方法も,適切なアドバイザーを見つけるために有効な方法です。
また,質の高いアドバイザーを見つけることも大切です。
業界経験者や弁護士の転職事情に詳しいアドバイザーは,求職者の希望を理解してもらいやすい傾向にあるため,質が高く自分にマッチした提案をしてもらえるでしょう。
(4)複数の求人サイトを利用する
求人サイト(エージェント)に登録するときは,複数の求人サイトに登録することをおすすめします。
複数の求人サイトに登録することで,応募先の選択肢を広げられるからです。
なかにはエージェントが独自で非公開求人を保有するケースもあるため,複数登録することで有力な求人に出会える可能性が高まります。
また,複数のサイトに登録することで客観的に情報を精査することにもつながるでしょう。
その結果,誤った情報に左右されるリスクへの回避が期待できます。
ただし,むやみに登録するとかえって手間がかかるため,登録サイトは2つから3つを目安にするとよいでしょう。
3. まとめ|転職サイトを使って就活を有利に進めよう!
弁護士の求人では,業界に特化し,専門性の高い情報を提供してもらえるサイトの活用で,自分の希望や意向に沿った企業・事務所に出会えます。
弁護士業界に精通した求人サイトや経験者であるアドバイザーでは,自分の提示する条件を理解してもらいやすく,効率的な就職活動が期待できます。
求人サイトにはそれぞれに強みや独自のサービスがあるため,比較検討して自分に適したものであるかの選定が大切です。