日本における弁護士の数は,年々増加しています。日本弁護士連合会の公表している弁護士白書によれば,2022年時点での弁護士の総数は44,101人となっています。
2011年時点での30,485人から約44%増加していることが分かります。
急速に弁護士人口が増える中で,他の弁護士の方と競争する上でも,また新たな法的ニーズを発見して業務拡大を図っていく上でも,ホームページを制作するなどして,集客に注力することが必要になっています。
ホームページ制作の必要性
このような状況で,弁護士の方も集客に注力することが必要になっています。
内閣官房法曹養成制度改革推進室の調査では,現在よりもインターネット普及率の低い2015年の時点ですでに,「弁護士を必要とするような問題を抱えたとき,どのような方法で弁護士を探すか」という問いに対して「インターネットの情報を基に探す」と回答した人が20%を超えています(内閣官房放送制度改革推進室「法曹人口調査報告書(図表集)」)。
ホームページを作成し,インターネット経由でのお問い合わせを獲得することは,これからの弁護士にとって必要不可欠と評価できます。
ホームページとポータルサイト
「ホームページを作成しなくても,ポータルサイトへの登録で十分でないか?」
と考える弁護士の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし,ポータルサイトで法律事務所の情報を把握した後,より具体的な情報を知るために当該法律事務所のホームページを検索し,それを訪れようとする人は少なくありません。
そのため,弁護士の方が低くはない費用を支払ってポータルサイトへの登録を行うのであれば,ホームページも作成し,ポータルサイトの力を効率的に使うべきといえるでしょう。
弁護士にオススメのホームページ制作会社6選
それでは,弁護士にオススメのホームページ制作会社を見ていきます!
ローキャリ編集部で実際に法律事務所のホームページ制作の実績を確認したホームページ制作会社のみを記載しています!
ホームページ制作会社①|弁護士ドットコム株式会社
1つ目は,弁護士ドットコム株式会社です。
設立後一貫して弁護士向けにサービス開発・提供を継続している弁護士ドットコムが,弁護士向けにホームページ制作も手掛けられています。
ホームページ制作実績
弁護士ドットコム株式会社が手掛ける法律事務所特化のホームページ制作サービスは,既に多くの法律事務所に利用されているようです。
ザインが素晴らしく見栄えがいいというだけでなく,インタビューもしっかりと行っていただけたので事務所紹介ページや弁護士紹介ページなどでわたしの人柄や信条がよく伝えられているホームページに仕上がったと感じました。
導入事務所様の声|弁護士や法律事務所のことを理解してくれている人に作成してほしかった
PCとスマホの両方に対応したホームページを持つことで,以前よりも多くの方の目に触れるようになったと思います。スマホで閲覧すると,お問い合わせボタンが常に表示されるのもポイントです。
導入事務所様の声|スマートフォンでも見やすいものが作りたかった
今後も,皆様から選ばれる法律事務所となるために,ホームページを活用してまいります。
制作料金(概要)
弁護士ドットコム株式会社が手掛ける法律事務所特化のホームページ制作サービスの制作料金の概要は次のとおりです。
ライトプラン:税込264,000円〜
ホームページ制作会社②|エファタ株式会社
2つ目は,エファタ株式会社です。
士業専門ホームページ制作サービス「LEAGO」を提供されています。
ホームページ制作実績
エファタ株式会社が手掛ける士業専門ホームページ制作サービス「LEAGO」,既に多くの法律事務所に利用されているようです。
同社サイトには,次のような法律事務所のホームページが実績として掲載されています。
- ・名古屋葵綜合法律事務所
- ・広尾有栖川法律事務所
- ・京都かわせみ法律事務所
制作料金(概要)
士業専門ホームページ制作サービス「LEAGO」の制作料金の概要は次のとおりです。
- ・ライトプラン:55,000円(税込)
- ・独立応援プラン:110,000円(税込)
- ・集客重視プラン:330,000円(税込)
- ・ブランド確立プラン:応相談
ホームページ制作会社③|株式会社Total Art Development
3つ目は,株式会社Total Art Developmentです。
弁護士専門ホームページ制作会社として法律事務所に対するホームページ制作サービスを提供されているようです。
SEOに強いことが特徴であり,検索結果に上位表示された月に成功報酬が発生する料金体系を採用していることからも,その自信が伺えます。
ホームページ制作実績
弁護士専門ホームページ制作会社である株式会社Total Art Developmentは既に多くの法律事務所のホームページ制作を手掛けているようです。
紹介で顧客がつながる弁護士業界にあって,WEBで集客を図ることはちょっと前まで考えられなかったようです。
弁護士WEB|お客様の声
今では北海道や関西など,遠方の方からもお電話を頂けるようになっています。
WEBの持つ力はなかなかのものですね。
制作料金(概要)
株式会社Total Art Developmentの手がけるホームページ制作サービスの制作料金の概要は次のとおりです。
- ・地域特化型プラン: 198.000円(税別)〜
- ・専門分野特化型プラン: 298,000円(税別)〜
- ・独立開業支援プラン: 980,000円(税別)〜
こちらに追加して,「成功報酬」が用意されているようです。
ホームページ制作会社④|合同会社レップリーガル
4つ目は,合同会社レップリーガルです。
川原総合法律事務所の営業責任者として勤務されていた方が設立された会社です。
営業責任者としては,当初年間200件程度だった事務所の相談件数を3年間で6倍の1200件にまで増加させた実績も有されています。
ホームページ制作実績
合同会社レップリーガルでは,既に多くの法律事務所のホームページを制作された実績があるようです。
同社サイトには,次のような法律事務所のホームページが実績として掲載されています。
- ・河合・藤井法律事務所
- ・川崎ひかり法律事務所
- ・福田法律事務所
制作料金(概要)
合同会社レップリーガルの手がけるホームページ制作サービスの制作料金の概要は次のとおりです。
- ・事務所サイト制作プラン: 30万円(税込33万円)
- ・スタンダードプラン: 50万円(税込55万円)
- ・フルパッケージプラン: 120万円(税込132万円)
また,いずれも月間保守管理費は1万円(税別)のようです。
フルパッケージプランでは,6か月間のサイト運用コンサルティングをオプション料金なしで受けることができるため,ホームページを通じた新規問い合わせを多く確保したいとお考えの弁護士にはフルパッケージプランがおすすめです。
ホームページ制作会社⑤|株式会社エムハンド
5つ目は,株式会社エムハンドです。
「伝えるべき人に,伝えるべきことを,伝わりやすく。」をポリシーとして掲げる株式会社エムハンドは,士業向けにホームページ制作を行っています。
ホームページ制作実績
株式会社エムハンドでは,既に多くの法律事務所のホームページを制作された実績があるようです。
同社サイトには,次のような法律事務所のホームページが実績として掲載されています。
- ・栗林総合法律事務所
- ・弁護士法人 賢誠総合法律事務所
- ・弁護士法人あおい法律事務所
これまで培ってきた信頼関係を生かし,簡単な打合せのみで制作を開始。途中,さほど修正もなく,リニューアルホームページの制作をすることができました。先生からは「よいことはよい,悪いことは悪いと正直に話をしてくれる,本音での提案」に評価をいただいています。また,これは狙いではなかったのですが,集客を意図しない方向でリニューアルをしたにも関わらず,意図に反していまだに週に1回ぐらいの割合で問い合わせが来ると先生から教えていただきました。
株式会社エムハンド|お客様満足のポイント
制作料金(概要)
株式会社エムハンドは,ページ数に応じて制作料金が変わる仕組みを採用しているようです。
ローキャリ編集部で,同社サービスサイトの記載を参照してCMSなしの8ページ構成の場合の制作料金を算出したところ,次のとおりとなりました。なお,ローキャリ編集部として,この金額の正確性を保証することはできない点,ご理解いただけますと幸いです。
CMSなしの8ページ構成: 約90万円(税込)
ホームページ制作会社⑥|ポーカー・フェイス・コンサルティング株式会社
6つ目は,ポーカー・フェイス・コンサルティング株式会社です。
ホームページ制作実績
ポーカー・フェイス・コンサルティング株式会社が手掛ける法律事務所特化のホームページ制作サービスは,既に多くの法律事務所に利用されているようです。
ポーカー・フェイス様のサービスについて率直な感想を申し上げると,私は,自分がイメージした以上の素晴らしいホームページを制作していただいたと感じております。(省略)
今回のホームページ制作を通じて,私自身,弁護士業におけるウェブマーケティングについて,今まで以上に興味を持ちましたので,ポーカー・フェイス様とは,今後とも,継続的にご相談させていただきたいと考えております。
ポーカー・フェイス・コンサルティング株式会社|お客様の声
ポーカーフェイスは士業において多くの実績があるため,相談時には,当事務所の実情に合った適切な提案を迅速にしてくれました。また,作業においては,いつでもクイックレスポンスで,こちらの要望にも根気よく対応していただき,顧客の側に立ったサービスが徹底されていると感じました。
ポーカー・フェイス・コンサルティング株式会社|お客様の声
制作料金(概要)
ポーカー・フェイス・コンサルティング株式会社の手がけるホームページ制作サービスの制作料金の概要は次のとおりです。
- 士業ホームページ作成コンサル型プラン(WordPress): 568,000円(税別)
- ランディングページ制作プラン: 200,000円(税別)
法律事務所のホームページ作成の注意点(広告規制)
ここまで,法律事務所向けにホームページ制作を行っているホームページ制作会社を紹介してきました。
ここからは,弁護士の方が,具体的にホームページ作成をホームページ制作会社に依頼する場合の注意点である「広告規制」の概要を記載したいと思います。
根拠規程等
弁護士の方がホームページを制作する上では,日本弁護士連合会が策定した弁護士等の業務広告に関する規程の規制(以下「広告規制」といいます。)に注意する必要があります。
また,この解釈指針である業務広告に関する指針(以下「広告指針」といいます。)も確認する必要があります。
広告規制の対象
そもそも広告規制は弁護士のホームページをも適用対象としているのでしょうか。ホームページは広告としての側面だけを有するものではないため,この点は検討に値します。
この点に関して,広告規制においては,「広告」は次のように定義されています。
「広告」とは,弁護士又は弁護士法人が,口頭,書面,電磁的方法その他の方法により自己又は自己の業務を他人に知らせるために行う情報の伝達及び表示行為であって,顧客又は依頼者となるように誘引することを主たる目的とするものをいう。
弁護士等の業務広告に関する規程
このように,かなり広く定義されています。
したがって,弁護士の方が,弁護士との肩書を明記するホームページは,基本的に「広告」に該当することになります。
弁護士のホームページにも広告規制は適用されることになるといえるでしょう。
東京弁護士会のWebサイトにおいても,「事務所のウェブサイトに,所属弁護士会の表示がないものは違反広告です。」との記載があり,広告規制が弁護士のホームページに適用されることを前提としています。
弁護士に対する広告規制の概要
広告規制には,概要として,弁護士に対する次の規制が用意されています。
- 禁止行為
- 表示義務
- 保存義務
- 違反時の制裁
以下,こちらの各規制の内容を確認します.
広告規制と禁止行為
1点目として,広告規制のうち,弁護士がホームページ等で広告を行う際に禁止される行為について定めた規制について確認します。
禁止される広告
弁護士は,次の行為が禁止されています。
- 事実に合致していない広告
- 誤導又は誤認のおそれのある広告
- 誇大又は過度な期待を抱かせる広告
- 困惑させ,又は過度な不安をあおる広告
- 特定の弁護士若しくは外国法事務弁護士又は法律事務所若しくは外国法事務弁護士事務所と比較した広告
- 法令又は本会若しくは所属弁護士会の会則及び会規に違反する広告
- 弁護士の品位又は信用を損なうおそれのある広告
このうち1〜4については,景品表示法などでも禁止されている広告規制にあたると思います。
5は,いわゆる比較広告を禁止するものであり,6は,名義貸しなどを行った広告を禁止するものです。
7は,抽象的な定めとなっていますが,広告指針では,次のような行為が上記7で規制される例として挙げられています。
- 「法の抜け道,抜け穴教えます。」
- 「競売を止めてみせます。」
- 「用心棒弁護士」との表現を含む広告
- ことさら残酷又は悲惨な場面を利用した広告
表示が禁止される広告事項
弁護士は,次の事項の広告が禁止されています。
- 訴訟の勝訴率
- 顧問先又は依頼者
- 受任中の事件
- 過去に取扱い又は関与した事件
もっとも,このうち2から4の規制については,例外的取り扱いが定められています。
1点目として,顧問先や依頼者の書面による同意がある場合,2から4の事項を広告に表示できます。
また2点目として,次の2要件をいずれも充足する場合は,3および4の事項を広告に表示できます。
- 依頼者が特定されない場合
- 依頼者の利益を依頼者の利益を損なうおそれがない場合
3点目として,次の2要件をいずれも充足する場合も,4の事項を広告に表示できます。
- 広く一般に知られている事件
- 依頼者の利益を損なうおそれがない場合
受任や顧問契約締結の際は,依頼者や顧問先から広告に使用することの同意を得ておくのが望ましいかもしれません。
その他の禁止行為
広告規制では,上記の他にも,弁護士が行う広告に関連して禁止される行為をいくつか列挙されています。
弁護士によるホームページ制作との関係で重要なのは有価物等供与の禁止です。
広告規程第7条は,次のように規定します。
弁護士は,広告の対象者に対し,社会的儀礼の範囲を超えた有価物等の利益を供与して広告をしてはならない。
弁護士等の業務広告に関する規程
広告方針では,この規制の趣旨は,次の点にあるとされます。
規程第7条が広告対象者に対して,社会的儀礼の範囲を超える有価物等を供与し依頼の勧誘を行うことを禁止したのは,弁護士等への依頼は,本来依頼者の自由な意思により行われるところ,社会的儀礼の範囲を超える有価物等の供与はこれを歪めるおそれがあり,かつ,このような手段を用いて依頼を勧誘することは弁護士等の品位を損なうことにつながるからである。
業務広告に関する指針
広告からの申込者に対し,何らかのプレゼントや金銭的利益を与えることは,この有価物等供与の禁止に違反すると考えられます。
広告規制と表示義務
続いて,弁護士がホームページ等によって広告を行う際には,広告規制における表示義務にも従う必要があります。
広告規程によれば,弁護士は次の事項を表示する必要があります。
- 氏名
- 所属弁護士会
※ 弁護士法人の場合には,表示すべき事項が異なりますので,ご注意ください。
※ 弁護士が共同して広告する場合には広告を代表するものの氏名と所属弁護士会を記載することになります。
広告規制と保存義務
広告規程では,上記のような禁止行為および表示義務の規制に加えて,保存義務の規制があります。
ホームページに即していえば,弁護士の方は,次の情報などを記録し,保存する必要があります。
- ホームページのデータ
- ホームページの掲載を開始した時期等
- 顧問先や依頼者の書面による承諾を得て受任中の事件等の表示をした場合には,当該書面による承諾を示す資料
保存義務は,広告が終了した時から3年間とされています。
弁護士の方がホームページ制作会社を選ぶ場合には,このような保存義務の遵守に協力してくれる会社を選ぶことが望ましいでしょう。
広告規制に違反した場合の制裁
それでは,弁護士の方が上記のような広告規制に違反した場合には,どのような制裁があるのでしょうか。
以下,これについて検討してみます。
命令および公表
弁護士の方が広告規制に違反した場合,弁護士会は当該弁護士に対し,違反行為の中止,排除その他の必要な事項を命じることができます。
そして,①弁護士が命令に従わなかった場合や,②違反行為の中止もしくは排除が困難な場合であって,違反行為による被害発生防止のため特に必要があるときは,弁護士会は命令等を行なった事実および理由の要旨を公表できます。
命令等を受けた事実や理由の要旨が公表されると弁護士としての業務に支障を及ぼす恐れもあるため,これは比較的強い制裁といえるのではないでしょうか。
弁護士会による懲戒処分
広告規制を定めた広告規程は,日本弁護士連合会の会則になります。
そのため,広告規制に違反した場合,弁護士法第56条第1項に基づき,懲戒処分を受ける可能性があります。
具体的には,次のような処分を受ける可能性があります。
- 戒告
- 2年以内の業務停止
- 退会命令
- 除名
過去には弁護士法人アディーレ法律事務所が業務停止処分を受けたこともあります。
もっとも,アディーレのケースは,景品表示法違反を理由に消費者庁からも措置命令を受けていた事案です。
過去の懲戒処分を見る限り,実際に懲戒処分がなされるケースはそれほど多くないと考えます。
しかし,万が一,懲戒処分を受けてしまった場合,弁護士業務に大きな不利益が生じてしまうため,注意が必要です。
まとめ
この記事では,ホームページ制作を考えられている弁護士の方向けに,法律事務所にオススメのホームページ制作会社を6社ご紹介するとともに,弁護士の方がホームページを制作する上で注意すべき広告規制の概要を記載しました。
本記事が,ホームページ制作を考えられている弁護士の方が制作会社を選択し,広告規制に抵触しないホームページを制作する上での参考となれば幸いです。