弁護士の転職を専門的に扱う転職エージェント・転職サイト一覧
弁護士のような専門性の高い職業の転職においては,その専門性を理解している転職エージェントを利用するのが鉄則です。
そうでなければ,希望条件の擦り合わせ等,エージェントとのコミュニケーションに余計な時間がかかり,転職活動をスムーズに進められないからです。
また,弁護士の転職を専門的に扱う転職エージェントは,転職先の候補である法律事務所や企業の雰囲気や具体的な働き方等,外部からは分かりづらい情報を持っていることが多いのも特徴です。
転職後に「こんなはずじゃなかった・・・。」と思ってしまうようなミスマッチを避けるためにも,以下のような転職エージェントや転職サイトを利用することをおすすめします。
おすすめの転職エージェント一覧
転職エージェント | 特徴 |
MS Agent | 士業・管理部門に特化した転職エージェント。大手企業の求人も多く,勤務弁護士からインハウスへの転職に強み。 |
NO-LIMIT(ノーリミット) | 弁護士の転職に特化したエージェント。法律事務所とインハウスの両方に対応。弁護士業界に精通したアドバイザーのサポートにより,効率良く転職活動を進められる。 |
弁護士ドットコムキャリア | 国内最大級のポータルサイト「弁護士ドットコム」が運営。関東圏の求人数が多いのが特徴。 |
LEGAL JOB BOARD(リーガルジョブボード) | 弁護士・司法書士・弁理士・調査士など,士業専門職のための求人サイト。各士業専門のエージェントを配置し,サポートも充実。 |
C&Rリーガルエージェンシー | 転職サイトである弁護士転職.jp から派生している転職エージェントサービス。弁護士が法務業務に専念できる環境の構築を目指す。 |
AGAROOT CAREER(アガルートキャリア) | 資格試験対策の通信講座で有名なアガルートが運営母体の転職エージェント。大手事務所・大企業・外資・ スタートアップまで豊富な求人が揃う。 |
企業法務革新基盤 | 大手企業への転職に強み。キャリアコンサルティングサービスも含めて,テーラーメイドなキャリア設計を支援してくれる。 |
SAMURAI (サムライ) | 士業事務所や企業の求人掲載を無料で受け付けることで,多くの求人を確保。各士業専門の転職エージェントと提携。 |
おすすめの転職サイト一覧
転職サイト | 特徴 |
弁護士転職.jp | 多数の弁護士求人情報を,条件等で絞り込みをかけて検索可能。 |
LEGAL NET(リーガルネット) | MS Agentと同じMS-Japanが運営母体。法務・弁護士・弁理士等,法律領域の転職をサポート。 |
日本弁護士連合会が運営している転職サイト「ひまわり求人求職ナビ」を見て転職をする弁護士もいますが,公開されている情報が簡素で,具体的な待遇や事務所の雰囲気等の情報を自力で収集しなければなりません。そういった意味で,上記のような転職エージェントや転職サイトと比較し,利便性は劣ると言わざるを得ません。
弁護士の転職に特化|おすすめの転職エージェント・サイトの特徴を解説
ここからは,弁護士の転職に特化している各転職エージェントの特徴・強みと,実際に利用した弁護士の口コミを順にご紹介します。
- 新たな分野に挑戦したい方
- 弁護士としてのスキルをアップさせたい方
- 企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職を希望する方
- 執務環境やワークライフバランスの改善を希望する方
- 年収をアップさせたい方
そんな方は,積極的に転職エージェントを利用し,より良い弁護士ライフを手に入れましょう!
1. MS Agent(エムエスエージェント)
MS Agentは,1990年に創業した株式会社MS-Japan(エムエス ジャパン)が運営する,専門職に特化した転職エージェントです。東証プライム市場への上場もしている老舗企業のサービスの一つです。
MS Agentでは,弁護士のキャリアフィールドを,「国内大手法律事務所」「外資系法律事務所」「国内準大手/中堅法律事務所」「一般民事系法律事務所」「企業内弁護士(事業会社)」「企業内弁護士(金融専門職)」の7つに分類。希望条件に合った転職先を見つけてくれます。会員登録をしなくても,一部の求人を見ることができるので,まずは転職先のイメージを具体化したいという方にもおすすめです。
MS Agentのおすすめポイント
- 創業30年以上。弁護士以外の専門職の転職にも精通する豊富な実績
- 専門性の高い法律事務所から一般事業会社まで,細かなニーズに合わせて転職をサポートしてくれる
MS Agentの口コミ・評判
「経歴書の添削から面接スケジュールの調整まで多岐に渡ってサポートしていただいたお蔭で, 仕事をしながらでも転職活動がスムーズに行えました。」
MS Agent
「今回 初めての転職活動でしたが,的確で丁寧なサポートをして頂き, スムーズに活動をする事ができました。」
MS Agent
2. NO-LIMIT(ノーリミット)
NO-LIMIT(ノーリミット)は,弁護士業界に精通したアドバイザーのみが在籍する,弁護士の転職に特化したエージェントです。ひまわり求人や一般転職サイトにある求人の他,ネット検索では出てこない非公開求人情報も持っています。
法律事務所向けの集客サービスで有名な上場企業である「株式会社アシロ」が運営していることもあり,各法律事務所の内情等,外部からは分かりづらい情報も把握してくれている点は大きなメリットといえます。皆さんもご存知の通り,弁護士業界は閉鎖的な部分がありますので,こうしたメリットはしっかり享受しておきたいところです。
NO-LIMIT(ノーリミット)のおすすめポイント
- 法律事務所,企業内弁護士の内情や情勢に詳しい
- アドバイザリーと共に自己分析から始められる
- 書類添削サポートあり。書類添削後の通過率90%(2021年7月時点)
- 法律事務所はもちろん,インハウスへの転職も充実
- 弁護士からのアドバイザー満足度92.3%(2021年11月時点)
NO-LIMIT(ノーリミット)の口コミ・評判
「とにかくレスポンスが早かったのが非常に使いやすかったです。求人提案も,応募後の進捗の報告も非常にスピーディーだったため,テンポよく転職活動出来たのが有難かったです。」
「各求人のおすすめポイントを伝えてくれたのは御社が初めてなので印象的でした。」
「連絡手段にLINEを使っているのも良かった」
【弁護士転職事例】インハウス法務部門の幹部から個人事件可能な大企業への転職|社内法務と裁判業務の両立を実現した事例
「不満に思うことは特になかったですね。エージェント4,5社くらい使ってたのですが,御社のレスポンスが圧倒的に早かったので,とても頼りになりました。連絡手段にLINEを使わせてもらえたのも,連絡に対するハードルが低くなってよかったです。」
向上心を持つ若手弁護士の転職!人に恵まれ,街弁から中堅企業法務系事務所へ転職した成功事例
3. 弁護士ドットコムキャリア
弁護士ドットコムキャリアは,日本最大級の弁護士・法律ポータルサイト「弁護士ドットコム」が運営する転職エージェントです。
母体である「弁護士ドットコム」と各法律事務所等とのネットワークもあり,非公開案件も含めて求人数が多いのが強み。特に,関東圏の事務所や企業の求人が充実しているので,関東圏での転職を考えている方は登録しておきたいエージェントです。
弁護士ドットコムキャリアのおすすめポイント
- 15年を超える運営で培った,弁護士業界のネットワークが強み
- 小規模法律事務所からインハウスロイヤーまで,幅広い転職先を用意
- 弁護士業界に詳しい専任コンサルタントが転職活動をサポートしてくれる
弁護士ドットコムキャリアの口コミ・評判
「「ここはこういう事務所ですよ」という説明を事前にある程度聞けたことは,エージェントを利用して良かったポイントだと思っています。」
20代若手弁護士が体験した,初の転職活動 – 目指す弁護士像を追求するため,大規模企業法務系事務所へ
「自分でも気付いていなかった潜在的な思考や要望を的確に見抜いてくださった」
【弁護士の転職成功談】法律事務所からインハウスへ。パーソナルな求人選びで希望業種へスムーズに転職。
4. LEGAL JOB BOARD(リーガルジョブボード)
LEGAL JOB BOARDでは,弁護士業界の専門エージェントが必ず担当について転職をサポートしてくれます。また,LINEやメールで即日求人紹介もしてくれるなど,スピード感がある点も特徴です。
面接日程の調整はエージェントが行うため,忙しい中でもスムーズに転職活動を進めたい方にも好評です。会員登録をしない状態でも,事務所名・企業名が公開された求人概要を見ることができます。
LEGAL JOB BOARDのおすすめポイント
- 各士業専門のエージェントが無料でサポートしてくれる
- 登録後,2営業日以内に登録者に合った求人を提案してくれる
- 履歴書や職務経歴書の添削,面接対策,キャリアの相談,面接後のフォロー等,サポートが手厚い
LEGAL JOB BOARDの口コミ・評判
「過去の志望者の話を聞くことができとても参考になりました。また電話での対応もしてくださったので,不安を解消できました。」
リーガルジョブボード口コミ・評判(弁護士・司法修習生)
「おかげさまで良い就業先をご紹介いただけました。ひまわりの求人情報をもとに動くよりも,はるかに効果的だったと思います。」
リーガルジョブボード口コミ・評判(弁護士・司法修習生)
「会社の方からお声がけを頂ける貴社のサービスのお陰で,応募条件の経験年数部分を満たさず自分から応募することを躊躇っていた憧れの会社からお声がけいただき,無事転職することができました。」
リーガルジョブボード口コミ・評判(弁護士・司法修習生)
「色々相談に乗っていただいて,精神的にも後押ししていだだけたおかげで就職が決まりました。今回の転職だけでなく,将来のキャリアアップについてもアドバイスいただけたので信頼できました。」
リーガルジョブボード口コミ・評判(弁護士・司法修習生)
5. C&Rリーガルエージェンシー
2007年に設立された株式会社C&Rリーガルエージェンシー社が運営する転職エージェント。具体的な勤務先の紹介はもちろん,給与・待遇面の交渉等にも無料で対応してくれます。
株式会社C&Rリーガルエージェンシー社は,求人情報を検索できる転職サイト「弁護士転職.jp」も運営しています。その他,弁護士向けのヒューマンドキュメント誌「Attorney's MAGAZINE」を発行するなど,キャリアに関わる情報提供も積極的に行っています。
C&Rリーガルエージェンシーのおすすめポイント
- インハウスからの転職や,インハウスへの転職に強み
- 数年後に転職・独立を検討しているけれども,今から市場の状況を知っておきたいというリクエストでもOK
C&Rリーガルエージェンシーの口コミ・評判
「エージェントは専門特化しているエージェントらしく,業界の事は勿論,応募先企業に関しても細かい情報を全て把握されており,安心して企業の面接に臨む事が出来ました。」
C&Rリーガルエージェンシー
「転職先の良い点,懸念点を調べ,正直にお話してくれたおかげで,大変納得のいく転職ができた」
C&Rリーガルエージェンシー
6. AGAROOT CAREER(アガルートキャリア)
司法試験対策の講座で有名なアガルートが運営母体の転職エージェント。人材紹介事業については,転職エージェントを業界ごとに特化して運営する「株式会社ファンオブライフ」が運営しています。
アガルートキャリアは2020年にスタートした比較的新しい転職エージェントですが,豊富な知識・専門性を備えたキャリアアドバイザーが転職活動をサポートしてくれます。
司法試験の合格者を多数輩出しているアガルートアカデミーで積み上げたデータベースや強固なネットワークを持っている点がアガルートキャリアの強み。大手事務所・大企業・外資・スタートアップまで豊富な求人が揃います。
今すぐ転職をする気がなかったとしても,一度キャリアについて相談をすれば,マーケットの報告や最新の求人情報を定期的に受け取ることができます。
AGAROOT CAREERのおすすめポイント
- 専門性を備えたキャリアアドバイザーが転職活動をサポート
- 大手事務所・大企業・外資・スタートアップ等,求人は幅広く揃う
- 今すぐ転職する気がなくても,今後を見据えたキャリア相談が可能
7. 企業法務革新基盤
企業法務の転職に特化した転職エージェント。特に,上場企業等,大手の企業への転職に強みがあります。
キャリアコンサルティングに要する時間は,ときに2時間を超えることもあるなど,一人ひとりへの手厚いサポートを重視しているのが特徴です。
企業法務革新基盤のおすすめポイント
- 総合商社やメガバンク等,国内トップクラスの実力を持つ企業内法務部と独占契約している
- テーラーメイドなキャリア設計を支援してくれる
8. SAMURAI (サムライ)
SAMURAIでは士業事務所や企業の求人掲載を無料で受け付けています。そうであるからこそ,有料の求人サイトと比べてより多くの求人が集まるというわけです。また,各士業専門の転職エージェントと提携することにより,スムーズな転職を実現しています。
SAMURAI のおすすめポイント
- 有料の求人媒体には掲載されていない求人もある
- 各士業に詳しい担当者が転職活動をサポートしてくれる
9. 弁護士転職.jp
2007年に設立された株式会社C&Rリーガルエージェンシー社が運営する転職サイト。
弁護士に特化した求人情報を,地域や修習期等の条件で絞り込んで検索することができます。
転職サイトなので,基本的には求人を見るだけの機能となります。
エージェントと一緒に転職活動を進めたい場合は,同社が運営する「C&Rリーガルエージェンシー」に登録することになります。
弁護士転職.jpのおすすめポイント
- 多数の弁護士求人情報を,条件等で絞り込みをかけて検索できる
10. LEGAL NET(リーガルネット)
先にご紹介した「MS Agent」と同じく,MS-Japanが運営母体となっている法務・弁護士等の法律領域の転職・求人サイトです。公開されている求人情報を検索して閲覧することができます。
転職エージェントを入れて転職活動を行う場合には,「MS Agent」に登録すれば問題ありません。
LEGAL NETのおすすめポイント
- 公開されている求人情報を,詳細な条件で絞り込んで検索できる
転職サイトと転職エージェントの違い
各転職サイト・転職エージェントによりサービス内容は異なるものの,一般的には以下のような違いがあります。
結論としては,弁護士の転職においては,「転職サイト」よりも「転職エージェント」を利用した方が良いでしょう。
転職サイト | 転職エージェント | |
アドバイザー | なし | あり |
非公開求人 | なし | あり |
手続代行サービス | なし | あり |
転職活動の進め方 | 自分で進める | アドバイザーと一緒に進める |
転職サイトは,求人を見て,自分で求人を探し,応募・面接等を進めていきます。
自分のペースで進めることができるというメリットはありますが,効率が悪く時間や労力がかかってしまうのが弱点です。
転職エージェントは,転職を希望するあなたのアドバイザーが最適な求人を紹介してくれます。アドバイザーが様々な相談に乗ってくれるのが特徴です。
特に,キャリアアップを目指す場合や,仕事をしながら転職活動を進める弁護士の方であれば,転職のプロであるエージェントと一緒に進めた方が圧倒的に効率が良いといえます。
弁護士が転職エージェントを利用するメリット
弁護士の方ならご存知の通り,弁護士業界には閉鎖的な部分があります。
気になる法律事務所があったとしても,知り合いの弁護士や事務員さんを伝って情報収集をしなければ,
- 具体的な報酬・給与体系がわからない
- 務所内の雰囲気がわからない
- 具体的にどのようなスキルが必要,あるいは不要なのかがわからない
- 職務に関する裁量がどのくらい許容されているのかわからない
等,働く上でとても重要な事項なのに外部からはわからないことが多いのではないでしょうか。そもそも,転職したくても「何から始めれば良いのかわからない・・・」という方も多いと思います。
転職エージェントを利用するメリットは,そのような悩みを解決してもらえる点にあります。例えば,以下のようなメリットを,無料で享受できます。
- あなたがこれまで築いてきたキャリアを活かした転職先はどこか相談に乗ってもらえる
- これから目指していきたいキャリアを手に入れるには,何が必要で何が不要なのか一緒に考えてくれる
- ネット上には公開されていない非公開の転職先候補(一般企業を含む)を紹介してもらえる
- 気になる転職先の組織や所属弁護士の雰囲気や,具体的な報酬・給与体系を含めた契約内容を教えてもらえる
- エージェントが間に入り,転職先の法律事務所や企業と交渉してくれることで,年収がアップする
特に,既に所属している事務所や企業から転職する場合には,退所・退職との関係でスケジュール感も重要になってきます。
今の仕事をこなしながら,自力で情報収集や応募を進めていくよりも,一緒に事を進めてくれる人に頼りながら進めた方が効率良く転職できることは明らかです。
なお,ここまで転職エージェントのサービスが充実している今日において,あえて「ひまわり求人求職ナビ」等を使うメリットはほとんど無いと言って良いでしょう。
弁護士が転職エージェントを利用するときに確認すべきポイント
ポイント1:総合型の転職エージェントよりも,弁護士の転職に特化した転職エージェントを選ぶ
あらゆる業種の転職エージェントを取り扱っているエージェントは,求人数が多く,一見登録するメリットが大きいように思います。
しかし,弁護士という資格が必ずしも求められていない求人も多く混ざっていることも多く,「弁護士としてキャリアを積んでいきたい」と考えている方には不向きな面があります。
ただでさえ多忙でストレスフルな職務をこなしながら,並行して転職活動を進めていくのは意外と大変なものです。
弁護士業界に精通していて,コミュニケーションもスムーズなエージェントと進めた方が,短期間で効率良く内定を得られます。
そうであるならば,「弁護士という枠を飛び出して幅広く転職先を探したい」などの特別な事情のない限り,弁護士の転職に特化した転職エージェントを選ぶべきです。
ちなみに,総合型の転職エージェントとして有名なサービスとしては,「DODA」「リクルートエージェント」「ビズリーチ」「エリートネットワーク」等があります。
ポイント2:各転職エージェントが特に得意としている分野を確認する
弁護士の転職を専門的に手がけているエージェントの中でも,大きく,インハウスの転職に強みがあるエージェントと,そうでないエージェントが存在します。
転職を考えている弁護士の方は,最初はなんとなくでも良いので,「希望する転職先」を思い描いてみましょう。特にポイントとなるのが,インハウスへの転職を視野に入れているのか否かです。
現段階でインハウスへの転職も選択肢に含めているのであれば,「インハウスへの転職を得意としているエージェント」にも登録した方が良いでしょう。
そうではなく,法律事務所の弁護士として働く事を前提としているのであれば,あえて「インハウスの転職を得意としているエージェント」に登録する必要はないように思います。
ポイント3:エージェントによるサポートの内容を確認する
各エージェントによって,サポートの内容にも差があります。
例えば,サポートの内容として以下のようなものが挙げられます。
- これからのキャリアをどうしていくべきか,それを実現するためにはどのような方法が最適かといったことを一緒にじっくりと考えてくれるコンサルサービス
- 職務経歴書の書き方・ポイントの指導や,書類の添削をしてくれるサービス
- 面接の対策をおこなってくれるサービス
理想的な条件に近い転職先の内定を勝ち取ることにこだわるのであれば,上記のようなサポート内容が充実した転職エージェントを選ぶべきです。
他方,そこまで関与されることを求めておらず,求人の紹介だけしてほしいという方は,あえてサポート内容が控えめなエージェントや転職サイトに登録するのも一つの手かもしれません。
ポイント4:実際に利用した弁護士の口コミ・評判を確認する
後述の「転職エージェントの使い方」でも記載していますが,まずは自分の希望とは合わなそうな転職エージェントを消去法のようにして絞ったら,残った転職エージェントの口コミや評判を見てみましょう。実際に転職に成功した弁護士の生の声を見ながら,更に登録すべきエージェントの数を絞っていくのが良いと思います。
登録する転職エージェントの決め方
登録先が1ヶ所でなければならないという決まりはありません。
むしろ,最初のうちは3ヶ所程度の転職エージェントに登録して,使いながら様子を見るのが良いと思います。
求人の内容はもちろんですが,自分の担当者になったエージェントの方との相性の良し悪しもあると思います。
サービスを利用する中で信頼できそうなエージェントに絞っていく,くらいの感覚で使ってみましょう。
そうはいっても,実際どこのエージェントに登録すれば良いの?と迷ってしまう方もいらっしゃると思いますので,一例をご紹介します。
企業内弁護士への転職を希望していない場合の一例
一般民事事件の処理の経験を積みたく,企業内弁護士として働くことは特に考えていない。現在の仕事をこなしながらも,アドバイザーの手厚いサポートを頼り,迅速に希望の法律事務所に転職したい。
ひとまず,知名度の高い「弁護士ドットコムキャリア」と,「NO-LIMIT(ノーリミット)」,「リーガルジョブボード」の3つに登録し,軽い面談を行った。
企業内弁護士への転職を希望している場合の一例
深夜まで働くことが常態化している街弁をやめ,子育て等の時間を確保しやすいインハウスへの転職を志望するようになった。
まずは大手で一社登録したかったので,「弁護士ドットコムキャリア」に登録した。
また,インハウスへの転職に強そうな「MS Agent」と「リーガルジョブボード」の合計3つに登録した。
このように,複数の転職エージェントに登録した後,最終的に1つの転職エージェントに絞って利用する方も多いようです。
転職までの流れ
一般的に,転職エージェントを利用した場合,登録から転職まで以下のような流れで進んでいきます。
1. 登録
まずは無料で会員登録をします。
2. キャリアカウンセリング
専任のアドバイザーと面談を行い,キャリアプランを一緒に考えます。
3. 求人情報紹介
希望に沿った求人を紹介してもらいます。
4. 選考・面接
希望の事務所や企業に応募します。
履歴書等の添削,面接日程調整,面接対策等のサポートもあります。
5. 内定・入社(入所)
無事に内定をもらったら転職完了です。
転職エージェントを利用した場合,登録から内定まで,1ヶ月〜3ヶ月ほどかかるのが一般的なようです。
なお,転職エージェントは,登録者が内定した際に転職先の企業や事務所からフィーを得て収益を得ています。
したがって,転職エージェントへの登録はもちろん,内定後にも弁護士側がお金を払う必要はありません。
2024年現在の弁護士の転職市場の動向は?
昨今の弁護士の転職市場の大きな特徴としては,企業内弁護士の需要が明らかに高まっている点が挙げられます。
実際,2010年には428人だった企業内弁護士は,2023年6月時点では約7.4倍の3,184人まで増加しています(出典:企業内弁護士数の推移(2001年~2023年))。
転職サイトの求人等を見ても,上場企業を含む企業が多くの求人を出していることがわかります。
法律事務所で企業法務を経験した弁護士はもちろん,一般民事事件を中心に扱ういわゆる街弁の弁護士で,企業法務の経験が乏しい弁護士であっても,積極的に転職活動を行うことで企業への転職に成功する事例も見られます。