弁護士の方の中には,独立を考えている方も少なくないと思います。
この記事では,独立を考えた弁護士の方が無料で読むことができる資料をご紹介したいと思います!
即時・早期独立開業マニュアル(三訂版)
まずは,少し古い資料になりますが,日本弁護士連合会若手法曹センターが公開している「即時・早期独立開業マニュアル(三訂版)」です。
資金の準備の方法から,事務所の場所の選び方,事務職員の採用の方法,そして案件管理の方法まで,細かく記載されています。
この資料には,実際に開業を経験した弁護士のコメントも記載されています。その点でも,非常に有意義な資料です。
(A弁護士)地方の場合,駅前等で,人目に触れやすいところは,逆に,行きにくい等で敬遠されることもあるので注意。また,地方では,移動手段が車であることが多いので,駐車スペースの確保に留意すること(弁護士・事務職員分を含めて,4台分は欲しい)。
「即時・早期独立開業マニュアル(三訂版)」における「地方開業経験者のコメント」
(B弁護士)駅前でも問題はないかと考える。弁護士に依頼しようという人はそもそも人目を気にするほどの余裕がないこともある。
独立開業マニュアル東弁版(第2版)
次に,2017年に東京弁護士会の若手会員総合支援センターがまとめた「独立開業マニュアル東弁版(第2版)」も無料で読むことができます。
東京弁護士会が作成していることから,特に東京都内での開業を考えられている弁護士の方には一読をオススメします。
こちらの資料にも開業した弁護士のコメントが記載されています。
依頼者の交通の便を考えると最寄りの駅に複数の路線が通っているとよい。
「独立開業マニュアル東弁版(第2版)」における「開業者のコメント」
中にはインターネット等で探して他県からくるケースもあり,その際に神奈川・千葉・埼玉へのアクセスも考慮にいれるとよい。
ちなみに,この資料の中でも紹介されている「べんとら」というアプリは弁護士の方からの評判も良いので,興味のある方は一度ダウンロードしてみても良いかもしれません。
東京弁護士会謹製の「べんとら」使ってる
— 蛙の子はオタマジャクシ (@bibendum65) July 26, 2022
東京弁護士会さんが作ってるアプリ「べんとら」,更新されたんだな。東京弁護士会の弁護士はもちろん,他会の弁護士にも便利な機能(民事裁判申立手数料の計算,逸失利益や傷害後遺症慰謝料・養育費・婚姻費用の計算,法令集などなど)が満載なので,弁護士も修習生もみんな使うといいですよ。
— 宇宙超魔王サイケギドラ(ぬかるみ) (@k_sawmen) September 20, 2017
即時・早期独立経験談集(四訂版)
日本弁護士連合会の若手弁護士サポートセンターが2015年9月にまとめた「即時・早期独立経験談集(四訂版)」も無料で読むことが可能です。
即時独立(いわゆる即独)の事例が18件も取り上げられているほか,早期独立の事例が6件,事務所内独立採算弁護士の事例が1件取り上げられています。
事務所開設時にかかった費用や,当該費用を捻出した方法が記載されているため,独立した場合のイメージを持つのに有益な資料ではないでしょうか。
弁護士の起業⑨〜Sales前編 弁護士の営業〜
独立を検討されている弁護士の方には,笹原弁護士による「弁護士の起業⑨〜Sales前編 弁護士の営業〜」もオススメです。
弁護士の営業について重要なこととして,
弁護士の起業⑨〜Sales前編 弁護士の営業〜
・SNSでの発信
・HPの充実
・名刺の工夫
などがよく言われますが,私はそれらは全く重要ではないと思っています。
むしろ,そのような小手先のことよりも,「本質的・当たり前」の事をしっかり実践する方が遙かに効果は高いと思います。
弁護士の方も,独立後は「仕事を取ること」が必要になります。
独立した後の営業方法を検討する上で,こちらの資料を読むことは有意義だと思います。
独立開業用資料(弁護士向け)
スパークル法律事務所の三谷弁護士がnoteで公開されている「独立開業用資料(弁護士向け)」も一読をオススメします。
ここで,私が開業準備時に作っていた簡易キャッシュフローの計算表を公開してみましょう(数字は省略しています。)。実は,こちらは東京弁護士会の独立開業マニュアルの付録資料を参考にして,少しアレンジを加えたものです。
独立開業用資料(弁護士向け)
なんと,(数字は省略されていますが)三谷弁護士が作成されたキャッシュフローの計算表が公開されています!
近隣の依頼者とつながるウェブ集客施策
独立を考えられている弁護士の中には,地元密着型の法律事務所を運営したいと考えられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方には,株式会社LegalOn Technologiesが無料で公開している「近隣の依頼者とつながるウェブ集客施策」のダウンロードもオススメです。
現在では,Googleマップ上で弁護士を探す依頼者も増えてきています。
そのような依頼者からの問い合わせを獲得するために参考となる情報が多く記載されています。
地方で働く弁護士のための顧問契約獲得のコツ
こちらも株式会社LegalOn Technologiesが無料で公開している資料ですが,地方での開業を予定されている弁護士の方には「地方で働く弁護士のための顧問契約獲得のコツ」のダウンロードもオススメできます。
こちらは実際に地方で企業案件を多く取り扱い,顧問契約も継続して獲得されている二人の弁護士によるセミナーのレポートになっています。
顧問契約獲得のためには,まずは地元の企業と接点を持つことが必要不可欠になりますが,このレポートでは,その「地元の企業と接点を持つ方法」についても記載されています。
最後に
この記事では,独立を考えた弁護士の方が無料で読むことができる資料を7つ選んでご紹介しました!
なお,弁護士の方のブログについては「弁護士の即独を考えたら参考になるブログ4選」をご参照ください。また,書籍については,「独立を考えた弁護士にオススメの本5選」もご覧いただければ幸いです。