法律事務所で弁護士をサポートする業務を行うパラリーガル。社会的意義のある仕事であることはもちろん,一度パラリーガルとしての実務経験を積めば,その後職に困ることはまずなく,しかも比較的高い年収を期待できるという点で魅力的な仕事でもあります。
この記事では,パラリーガルの転職に強い転職エージェントをご紹介します。パラリーガル未経験者の方にも,すでにパラリーガルとして働いている方にもおすすめできる転職エージェントをご紹介しますので,ぜひ参考にしてください。
転職エージェント | 特徴 |
LEGAL JOB BOARD(リーガルジョブボード) | 弁護士などの士業専門職のための転職エージェント。パラリーガルや企業法務部の求人も多数。 |
MS Agent | 士業・管理部門に特化した転職エージェント。創業30年以上の豊富な実績。大手企業法務部の求人多数。 |
C&Rリーガルエージェンシー | パラリーガルや事務員など,法律事務所に関わる様々なポジションの転職に対応。 |
NO-LIMIT(ノーリミット) | 弁護士やパラリーガルの転職に特化したエージェント。法律事務所と企業の両方に対応。業界に精通したアドバイザーのサポートにより,効率良く転職活動を進められる。 |
ビズリーチ | ハイクラス・高収入の転職に強みを持つ転職サービス。スカウトが来次第企業やヘッドハンターとコンタクトを取る仕組み。 |
パラリーガルとは?
パラリーガルとは,弁護士の指示や監督のもとで法律事務を行う専門職です。法律事務員と呼ばれることもあります。
パラリーガルの仕事内容は,その法律事務所によって異なります。法律事務所にかかってくる電話の対応,書面のファイリング,郵便物の授受,簡単な書面の作成,資料探しなどがよくある仕事の内容です。
基本的に弁護士は多忙なため,弁護士だけでは対応しきれない業務や細かい作業,事務的な作業については,パラリーガルに仕事を割り振り,共同で案件を進めていくことになります。
なお,大規模な法律事務所では「秘書」を採用していることがありますが,秘書は弁護士のスケジュール管理などを行うことが多く,パラリーガルとは仕事内容が異なると考えて良いでしょう。
パラリーガルの転職に強い転職エージェント5社の特徴を解説
ここからは,パラリーガルの転職に強みを持つ転職エージェントの特徴や,実際に利用した方の口コミを順にご紹介します。
- ・パラリーガルとして働いてみたい方
- ・新たな分野に挑戦したい方
- ・パラリーガルとしてのスキルをアップさせたい方
- ・執務環境やワークライフバランスの改善を希望する方
- ・今より年収をアップさせたい方
そんな方は,この記事でご紹介する転職エージェントを利用し,より良いパラリーガルライフを手に入れましょう!
1. LEGAL JOB BOARD(リーガルジョブボード)
LEGAL JOB BOARDでは,弁護士業界に精通した担当者が転職をサポートしてくれるエージェントです。弁護士の転職に特化しているLEGAL JOB BOARDですが,パラリーガルの転職にも対応しています。
弁護士業界に特化している転職エージェントですから,気になる応募先の実際の職務内容や雰囲気についても可能な範囲で教えてもらえるでしょう。
実際にLEGAL JOB BOARDで公開されている求人を見てみると,大手の法律事務所から比較的小規模の法律事務所まで,様々な法律事務所がパラリーガルを募集していることがわかります。年収500万円以上も期待できそうです。
さらに,パラリーガルとして経験を積んだ方が,企業の法務部に転職するケースなどにも対応してくれます。
パラリーガルへの転職や,パラリーガルからのを検討している方は,まず登録しておくべき転職エージェントといって良いでしょう。
LEGAL JOB BOARDのおすすめポイント
- 業界に特化したエージェントが無料でサポートしてくれる
- 登録後,2営業日以内に登録者に合った求人を提案してくれる
- 履歴書や職務経歴書の添削,面接対策,キャリアの相談,面接後のフォロー等,サポートが手厚い
2. MS Agent(エムエスエージェント)
MS Agentは,1990年に創業した株式会社MS-Japan(エムエス ジャパン)が運営する,専門職に特化した転職エージェントです。東証プライム市場への上場もしている老舗企業のサービスの一つです。
業界最大級の求人掲載数が強みで,パラリーガル・事務職の転職にも対応しています。
会員登録をしなくても見られる求人情報もありますので,転職先のイメージを具体的に掴みたい方は,まずは求人情報を眺めてみると良いでしょう。
MS Agentのおすすめポイント
- 創業30年以上。専門職の転職にも精通する豊富な実績
- 求人掲載数が多い
3. C&Rリーガルエージェンシー
2007年に設立された株式会社C&Rリーガルエージェンシー社が運営する転職エージェント。具体的な勤務先の紹介はもちろん,給与・待遇面の交渉等にも無料で対応してくれます。
パラリーガル・法律事務職員のほか,法律事務所内のスタッフ,秘書,事務局長・チーフなど,法律事務所に関わる様々なポジションの転職に対応しています。
C&Rリーガルエージェンシーのおすすめポイント
- 法律事務所に関わる様々なポジションの転職に対応
- すぐに転職するつもりはないが,今から市場の状況を知っておきたいというリクエストでもOK
4. NO-LIMIT(ノーリミット)
NO-LIMIT(ノーリミット)は,弁護士やパラリーガル経験者を専門とした転職支援サービスです。法律事務所や法務部のある一般企業への転職に特化しているため,担当者が業界のことを熟知しているという利点があります。
離婚・相続・交通事故・債務整理などの対個人の案件はもちろん,英語を活かしたグローバル案件など,様々な人材を求める求人が用意されています。
NO-LIMIT(ノーリミット)のおすすめポイント
- 法律事務所・一般企業の法務部への転職に特化
- パラリーガルの求人が充実
5. ビズリーチ
ビズリーチは,ハイクラス・高収入の転職に強みを持つ転職サービスです。他の転職エージェントとは異なり,企業や法律事務所側から転職希望者にコンタクトをとる仕組みを採用しているのが特徴です。
転職希望者は,登録時にこれまでの経歴や希望する職種などを入力します。その後,ビズリーチ内での審査が行われ,それに通過するとで企業等とコンタクトをとれるようになります。
スカウトが来次第,企業やヘッドハンターと直接コンタクトを取る仕組みなので,現職の仕事に時間を割きつつも,希望条件に合った転職先を受け身で見つけたい方などにおすすめです。
一方で,他の転職エージェントに見られるような書類添削や面接対策などの転職活動のサポートがない点は理解しておく必要があります。
ビズリーチのおすすめポイント
- 企業やヘッドハンターからのスカウトを待てば良いという仕組み
- ハイクラス・収入アップの転職に強み
パラリーガルの転職に転職エージェントを使う4つのメリット
【メリット1】業界に精通しているアドバイザーがサポートしてくれる
パラリーガルの転職に強いエージェントとは,言い換えれば,弁護士や法律事務所の業界に対する理解が深いということです。転職先の法律事務所の内情などを含め,他では得られない情報を事前に把握できる可能性が高まります。
一概に「パラリーガル」といっても,事務所によって扱う案件・分野が大きく異なるため,得られるor活かせるスキルも大きく異なります。
また,事務所によっては,秘書に近い仕事を求められることもあれば,弁護士に近い仕事を求められることもあるなど,ミスマッチが起こりやすいのもパラリーガルの特徴です。
このようなミスマッチを避けるためにも,パラリーガルの転職に強いエージェントを利用することをおすすめします。
【メリット2】キャリアアップ・年収アップにつながる求人案件を提案してもらえる
繰り返しになりますが,法律事務所が扱う案件によって,パラリーガルが扱う案件の種類も大きく変わります。
パラリーガルへの転職に転職エージェントを使えば,「渉外系の法律事務所のパラリーガルとして,英語力を活かしたキャリアアップを図りたい」「今よりも年収をアップさせたい」など,あなたの要望に合った案件を素早く提案してもらえるでしょう。
【メリット3】非公開求人など公にされていない求人に出会える
パラリーガルの転職に関する求人情報は,インターネット上に公開されているものが全てではありません。法律事務所側の要望で「非公開」となっている求人もあるからです。
転職エージェントに登録して非公開案件も含めて検討すれば,自分にぴったりの転職先を発見できる確率も当然高まります。
【メリット4】転職活動がスムーズに進む
転職エージェントに登録して,自身の要望を担当者に伝えると,膨大な求人案件の中から転職希望者にマッチする求人案件を数日以内に提案してくれます。
また,転職エージェントによっては,応募先に提出する書類の添削サポートや,面接の対策をしてくれることもあります。さらに,応募先との日程調整なども間に入って進めてくれることもあります。
このような手厚いサポートを利用すれば,現職に勤めながらの転職活動もスムーズに進んでいくでしょう。
パラリーガルの転職に強い転職エージェントを利用する際のポイント2つ
【ポイント1】複数の転職エージェントに登録する
パラリーガルの転職に限ったことではありませんが,転職エージェントには複数登録しておくのがセオリーです。
なぜなら,各転職エージェントごとに抱えている求人案件の内容が異なるためです。A社にはあって,B社にはない求人案件も存在します。
そのため,はじめのうちは複数の転職エージェントに登録するのがおすすめです。3〜4社のエージェントに登録しておけば,各社(各担当者)の特徴や違いも実感できますので,より効率的に転職活動を進めることができるでしょう。
もちろん,複数の転職エージェントに登録することは禁止されていませんし,費用もかかりません。
【ポイント2】アドバイザーが合わなければ変更してもらう
アドバイザー(担当者)の質が悪いと感じたり,自分の要望を正確に理解してくれていないと思ったら,他のアドバイザーに変えてもらったり,他社の転職エージェントに絞って転職活動を進めるのも一つの手段です。
あらかじめ複数の転職エージェントに登録しておけば,他社への切り替えもスムーズに行えます。
パラリーガルの転職を成功させるポイント4つ
【ポイント1】パラリーガルの経験があると有利
すでにパラリーガルとして仕事をしたことがある人は,その経験をアピールすることになるでしょう。現職と応募したい事務所の取り扱い分野が違う場合でも,法律事務所で働いたことがあること自体が有利に評価されるはずです。
もちろん,「未経験者でもOK」としている法律事務所もあります。未経験からパラリーガルを目指す方は,転職エージェントを利用して応募先を厳選してもらうと良いでしょう。
【ポイント2】法学部出身者や有資格者は歓迎される
法学部出身者であれば少なくとも法律学に触れたことがありますから,パラリーガルの転職の際は有利になります。
また,行政書士や社会保険労務士の資格など,法律に関係する資格を持っている方も歓迎されるでしょう。
これまでの経歴や資格などに絡めて,「一定の法的素養がある」という点をアピールできると良いでしょう。
【ポイント3】電話対応の経験があると歓迎されることも
法律事務所によっては,パラリーガルが相談者や依頼者からの電話の窓口となることがあります。
そのため,丁寧な電話対応が身についていることが転職の際に有利に働くこともあるでしょう。
電話対応の経験がなくても,何らかのサービス業で顧客対応したことがあるのであれば,その点をアピールしても良いかもしれません。
【ポイント4】守秘義務は絶対。SNSなどでの発信は要注意。
法律事務所では,顧客のプライバシーに関わる情報を日常的に扱います。仕事の中で知り得た情報を外部に漏らすことなど絶対にあってはなりません。守秘義務に反すると,法律事務所や弁護士が懲戒されてしまうこともあります。
したがって,YouTubeやXなどで外部に情報を発信するのが好きな方は,転職の際に不利に働くこともあり得るので注意しましょう。